SNS選挙と言い出す周回遅れのメディアと政治家たち
はじめに
こんにちは、Burdonです。
ここ最近「SNS選挙」という言葉がメディアで飛び交っています。しかし、この言葉が登場したのは昨日今日の話ではなく、現実を正しく見ないまま「新しい現象」として喧伝する姿勢に違和感を覚えます。今回は、このSNSと選挙の関係、そしてそれを巡るメディアや政治家の認識について私の視点から整理します。
SNS選挙という神話の正体
SNS活用の歴史と実際の転換点
メディアや一部の大学関係者は2024年を転換点と語りますが、SNSの政治利用は国産SNS「ミクシィ」の時代から存在していました。2013年のネット選挙解禁以降も、地道にSNSを活用する政治家や政党は着実に増えていたのです。
2024年兵庫県知事の出直し選挙でテレビがほぼ報じなかったために、SNSの存在感が際立っただけであり、それを「新時代の幕開け」と捉えるのは事実誤認です。
因果関係の誤認とアルゴリズムの仕組み
賛成党関連の発信が目につくのは、ユーザー自身が過去にそれを視聴した履歴があるためです。SNSはアルゴリズムで「あなたが見そうなもの」を出す仕組みになっており、これは単なる因果関係の結果に過ぎません。
にもかかわらず、「SNS選挙は特定政党が支配している」かのように語るのは、利用者行動の基本構造を無視しています。
メディアと専門家の閉ざされた世界
テレビや新聞がSNSを論じる際、同じ数名の専門家(山口真一氏、三上洋氏、山本龍彦氏など)ばかりが登場します。情報源も似通い、視野が狭く、固定化された結論しか出てきません。
しかも彼らの多くはSNSやネットの現場を肌で体験してきたわけではなく、あくまで外側からの分析に留まっています。これでは現実と乖離した議論になるのも当然です。
政治家のSNS理解と実態
政治家の中には、昔からSNSを使ってきた人もいますが、その多くは遊び感覚や趣味の延長でした。本質を理解し、戦略的に活用できている例はごく一部です。
現役のデジタル担当大臣ですら、かつてはアニメキャラをSNSのヘッダーにして遊んでいた程度で、今の情報環境の本質を理解しているとは言い難い状況です。
サイバーセキュリティ議論の危うさ
国のサイバーセキュリティや情報流通の健全性を議論する場にも、いつも同じ顔ぶれが集まります。ファクトチェック団体や省庁関係者が密接に繋がり、閉鎖的なネットワークの中で政策が決まっていきます。
その論拠が個人ブログレベルという場合もあり、これで国のインターネット政策が動いていると考えると、危機感を覚えざるを得ません。
まとめ
- SNS選挙は突然始まったわけではなく、長年の積み重ねの延長線上にある
- アルゴリズムによる表示は利用者の行動が原因であり、特定勢力の支配とは限らない
- メディアと専門家の情報源は固定化し、視野が狭い
- 政治家のSNS活用は本質理解を伴わない場合が多い
- 国のサイバー政策は閉ざされた人脈の中で決まっており、論拠が脆弱なこともある
おわりに
メディアや政治家がSNSの本質に目覚めたかのように振る舞う昨今ですが、その多くは遅すぎる認識であり、しかも本質を外しています。現場の変化はゆっくりと、しかし確実に進んできました。
現実を直視しないままの議論は、結局国民にとって有益な政策にも繋がりません。私はこの現状を危ういと感じています。
最後までお読みいただきありがとうございました。